壽堂「黄金芋」【第2回中央区推奨土産品】

壽堂は人形町通りに面した水天宮のすぐ近くにあります。明治17年(1884)現在地で創業、140年以上続いている老舗です。今回ご紹介するのは向田邦子が「昔なつかしい匂いのする」と評した壽堂の代名詞ともいえる「黄金芋」です。
明治30年代の壽堂の菓子目録「四季精菓録」が紙袋にデザインされており、その中に「意匠登録 特製丸焼黄金芋」がありました。このように説明されています。
「弊店多年苦心の結果精巧なる丸焼黄金芋を製出仕候。他にも異名の同品多数有此候へども風味の佳良なると形体の真物の如きとハ、弊店独得乃技術にて他に類のない珍菓に御座候」とあります。
お店の自信の程が窺える文面です。黄金芋は創業時から販売されていますが、当時は江戸の終焉からまだ遠くない時代、漢方薬の桂皮としては知られていた肉桂を使ったお芋の形をした焼き菓子というのは随分と斬新でハイカラなものだったことでしょう。創案のご苦労は大変なものだったと想像に難くありませんが文面からは誇り高い菓子職人のお顔が浮かんでくるようです。当時の値段は2銭、現在の価格に換算して約400円。蕎麦が1銭の時代です。(参照:山本博文「明治の金勘定」)
黄金芋は黄味餡を小麦粉の皮で包み肉桂をまぶし串に刺し約400度の高温の窯で一気に焼き上げます。煎茶・ほうじ茶はもとよりコーヒー・紅茶まで相伴の飲み物を選びません。肉桂の香りと餡の絶妙なバランスと程の良い甘さはお店の紡いできた歴史を感じさせてくれるようです。
3個(780円)5個、10個の紙袋入りがあり、ご進物には籠詰めもあります。
女将の杉山青子様からお話しを伺いましたが、その間もひっきりなしのお客様を「いらっしゃいませ」の気持ちの良いご挨拶がお迎えします。現在の店舗は大震災後のものとのことですが、添加物のない吟味された材料で安心な美味しい御菓子を提供するという姿勢は創業時からの座売りを現在まで続けられていることとどこか繋がっているようです。


インフォメーション
| 社名 | 京菓子司 壽堂 |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区日本橋人形町2-1-4 |
| 電話番号 | フリーダイヤル0120-480-400 |
| 営業時間 | 月~土曜日9:00-18:30 |
| 休業日 | なし |
| ブログ執筆者(中央区観光協会特派員) | 滅紫 |